おためしナガノ座談会
CROSS TALK
最大約半年間、長野県に「おためし」で住んで、仕事をする「おためしナガノ」は今年度で4期目を迎え、参加者は56名になりました。彼らはどんなきっかけで応募し、長野県で暮らして何を感じたのでしょうか。過去の参加者に聞いてみました。
おためしナガノに
応募した理由は?
- 松本
- 僕はエンジニアの教育施設を長野に作りたくて応募しました。実は参加の前年から「おためしナガノ」に興味を持っていて、説明会にも行ったんです。その時はまだ自分のやりたいことが具体的になっていなかったので応募を見送ったのですが、翌年、また「おためしナガノ」の募集をしてることを知り応募しました。
- 山田
- 以前から地方へ行きたいと考えていました。鎌倉のカマコンバレーとか、すでに出来上がっているところは今から行っても面白くないし、四国・九州は遠い。簡単に東京と行き来できる場所がいいと思っていました。「おためしナガノ」を知ったのは応募締切の1週間前で、すぐに申請書類を作成し、応募しましたね。地方でおためしができるっていうのが魅力でした。
- 塩澤
- もともと長野県内の小布施町と関わりを持っていたので、ここで何かできないかと思ってた時に、友人から「おためしナガノ」を勧められ、自分のスタイルに合いそうだと感じて応募しました。長野県で起業したかったし、タイミングもよかったですね。
実際に長野に来て
いかがでしたか?
- 松本
- 長野はすごく寒いんだろうなと警戒していましたが、来てみたら大したことありませんでした。移住して初めての年は水道管破裂させちゃいましたけど(笑)。
- 塩澤
- 自宅でですか?
- 松本
- いえ、お店で。今は東御市でコワーキングスペース兼カフェを運営していて、来週1周年のパーティをやります。静かな環境で、街の人がとても優しいんですよ。
- 松本(彩)
- 私はずっと首都圏に住んでいたので、こちらで知り合いができるかな、と不安でした。でも主人も一緒だったし、コワーキングスペースで繋がりもできました。個人事業主やお店をやっている女性と知り合うことが多くて、長野の女性はアグレッシブだなと感じました。
- 山田
- 私は長野には縁もゆかりもなかったので、来る前は寒いのかな、くらいのイメージでした。
でも来てみたら美味いものが多い。長野の人はいつも美味いものを食べているから勧めるものは絶対美味いんですよ。キャベツならあそこ、ほうれん草ならここ、とかピンポイントの情報を持っていて、食べてみると価値観が変わるくらい美味いんです。
それと、音楽が活発ですね。渋谷だとサラリーマンがギター担いで歩いているんですが、長野では自転車乗ってるおばちゃんがフルート背負ってる。
フォーク酒場に行くと人との繋がりができて、仕事が生まれることもあります。そこで知り合った人に誘われて、今は毎週のように白馬でライブをやっています。私はデザインやITの仕事をしているんですが、本職がどっちだかわからない状態になってます。
- 塩澤
- 私は長野県の南信出身なんですが、北信(小布施町)に来て、長野は南と北で随分違うなという印象を受けました。最初はやや壁があるものの、付き合いが深まれば仲良くなれる。知らない人を受け入れてくれる土壌が長野にはあって、特に北信は東京と新幹線でつながっているからその傾向が強いように思います。ゲストハウスやコワーキングなど、東京から来る人が集まりやすいスペースも増えてきているなと感じました。
- 松本
- ただ、長野はゴミの分別が難しい! 細かすぎて、ゴミを出すのが怖い(笑)。東京だったら、燃えるか燃えないかですよ。
- 山田
- そうそう、割れた皿が一番困る。
- 塩澤
- ゴミ出しとか、不便さも含めて生活してみないとわからないところはありますね。
「おためしナガノ」を
終えての感想は?
- 山田
- 長野を知ることができて、一生住んでもいいと思えるくらい気に入りました。本物の星空、本物の食べもの、本物の人のあたたかさなどを教えてくれた長野を愛しまくっています!
- 塩澤
- いきなり長野に来るのはなかなか難しいけれど、その背中を最初にちょっと押してくれたのが「おためしナガノ」。自分の仕事や、やり方を見つけて、移住するのかどうかを考えるいい機会になりました。他の参加者と交流の場があったのも良かったです。
ちなみに「おためし」期間終了後に移住すると決めた時は、妻としっかり話をしました。話だけでは伝わらない部分もあるので、繋がった人を少しずつ紹介するなどしてから一緒に移住しました。 - 松本(彩)
- 私も「おためし」がきっかけで人との繋がりができたり、コワーキングで仕事をして沢山の人に出会いました。普通に仕事で長野に来ているだけなら、これほどの出会いはなかったと思います。
- 松本
- 移住というのは、ここにいなきゃいけない、ということではないと考えています。移住=永住ではないし、二拠点でもいいんじゃないかと。長野に来た経験から東京の良さなどを見直すことができて、その結果仕事も増えました。
- 塩澤
- 移住は簡単ではないし、人によって合う、合わないもあります。「おためし」の中で考える事が必要ですね。
- 松本
- とか言って、僕は「おためし」始めて1カ月で住民票を移しちゃいましたけど。
- 松本(彩)
- 実際のお試し期間はめっちゃ短かったよね(笑)。
最後に、参加を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
- 松本
- まずは長野に行ってみてどう感じるのかを自分で知る、それが「おためしナガノ」です。首都圏でやってきた仕事を見直す機会にもなります。
- 山田
- 今住んでいるところが全てだと思わず、自分に合う場所を探してみるのはどうでしょう。その選択肢に長野県を入れて欲しいです。「おためしナガノ」は長野県を知る良いきっかけになります。
- 塩澤
- 私は長野県出身で、東京で培ったスキルを地元でどう生かせるのかと考えていました。同じように長野に戻って自分のスキルを試したいという方は、ぜひ応募してみてください。